既存の「大倉山ジャンプ競技場」との併設が地勢上難しく、冬季オリンピック札幌大会に向けて、昭和45年に付近の適地・宮の森に完成したノーマルヒル級のジャンプ台で、K点90m、ヒルサイズ100mとなっている。昭和47年に開催された冬季オリンピック札幌大会では、このジャンプ台で日本は金、銀、銅メダル独占という快挙を成し遂げ、今でも語り草になっている。
あれから半世紀が過ぎた今もこの辺りの自然風景は変らないが、周囲に住宅は増えてきた。宮の森ジャンプ競技場への道は、路線バスの終点から先へ15分ほど九十九折の道を上って行くと、シャンツェのランディングバーンの端に出る。大倉山のジャンプ台より規模は小さいのだが、その分近くまで寄ることができ、ジャンプ台の全容が一望となり迫力がある。
琴似川の流れは、ジャンプ台へ至る取り付け道路の谷脇をチョロチョロと流れているが、上り道の最初の曲がり角で道の下を潜って山側へ移動し、雑草の中の自然の谷筋の川床を濡らして、まもなく視界から消える。この位置からは、どうも、「札幌市史」に云われているような水源、宮の森のお寺の裏の谷筋には繋がりそうもない。
○宮の森シャンツェ、琴似川水源4