●野幌千古園
JR野幌駅南口を出てまっすぐ南に2キロほど進むと、道道46号線「江別恵庭線」との三叉路にぶつかる。道道に沿って少し恵庭方面に進むと角地にこんもりとした緑地が保存され、江別市指定文化財となっている史跡「千古園」がある。千古園は、明治20年頃野幌の開拓に功績のあった民間開拓団体「北越殖民社」の2代目社長関矢孫左衛門氏の屋敷跡であり、園内には各種の記念碑や石地蔵、小池のほとりにはわらぶき屋根の茶室「道庵」などがある。
(野幌南付近地図)
(茶室「道庵」)
驚かされるのは、史跡もさることながら園内に植わった樹木の見事さである。しらかんば、いちい、えぞもみじ、えぞやまざくら、えぞ赤松、きたこぶし、ぶな、さわら等々、一抱えもある古木が林立している。特に、黒松内が北限とされている何本もの「ぶな」の巨木やひのきの一種である「さわら」は、札幌周辺ではここしか見られないものと思われる。
(きたこぶし)
(ぶな)
(茶室と池)
(記念碑:「留魂」「頌徳碑」)
●セラミックアートセンター
道道を挟んだ千古園の向かい側には、「陶芸の里」と称して江別市のかっての一大産業であったれんが、やきものの資料を保存・展示する「セラミックアートセンター」がある。広い駐車スペースを前に塔屋の付いた瀟洒な建物に迎えられる。
(セラミックアートセンター正面)
北海道のやきものは、今から800年ほど前の擦文式土器に始まるが、以後は幕末期安政の函館焼まで記録がない。江別で北斗窯を開窯した小森忍(明治22年大阪生まれ)は、昭和24年に来道し同37年に亡くなるまで江別で作陶と
窯業指導に尽力し、北海道のやきものの発展に大きく貢献した。
セラミックアートセンターでは、北斗窯(小森忍)の作品展示室と道内の作陶家の作品、およびれんが資料室を中心として展示・構成され、希望者が作陶もできる。
(セラミックアートセンター庭園)
セラミックアートセンターの裏に廻り、遊水地や田んぼの広がる湿地の横を700mほど西に歩いて行くと野幌森林公園に入り、かっての農業用水の溜池「桜沢貯水池」が現れる。池の遠くの方の水面には柔らかな日差しを浴びて数羽の鴨がのんびりと遊んでいる。