北海道大学農学部本館は昭和10年に竣工した。
折しも日本は軍国化の途上にあり、昭和11年北海道で行われた陸軍大演習の際
の大本営として農学部本館が使われた。本館正面入口2階の一部屋が大元帥で
ある昭和天皇の御座所となったという。
農学部本館は北大のシンボルとして長らく市民に親しまれた建物だが、内部の
構造体は当時のままでも、外壁の色、デザインは当時の雰囲気を伝えながらも
新しく改修されている。
本館の入口の意匠は、いずれもクラシックなアーチで統一されており、白い枠取
りも凝ったデザインになっている。面白いのは、本館の南側に本館から共同実験
棟の渡り廊下の下の入口の2連のアーチは中柱のない変った形をとっており一見
の価値がある。
渡り廊下の下の2連の中柱のないアーチ
農学部本館正面玄関
農学部本館脇(左)玄関