明治4年、開拓使は札幌本府の北隣に日本で初めての公園を造り、水戸の
偕楽園に倣って命名した。今で云うところの多目的公園で、広い敷地には農
園、勧業試験場・博物場、さけ孵化場、競馬場などがあった。
明治14年に明治天皇の北海道行幸のため、園内に休憩所として「(水木)
清華亭」が建てられている。清華亭の南側のサクシュコトニ川の水源の湧水
が御膳水として陛下に供されたと記録にある。
その後、この湧水の水は、薄野の有名な料亭「幾代」の正月の若水汲みに
も用いられ、泉の畔には水神様の祠も設けられたという。
現在の偕楽園緑地は清華亭周辺のネコの額ほどの敷地に公園化されている
が、湧水はとっくの昔に涸れて果て、当時の水辺を象徴した真っ白い玉石が
敷き詰められている。水神さまの祠は、土地の篤志家の手で真新しい社殿に
納まっている。
偕楽園緑地
水神様の祠