藻南公園の南端に架かる「藻南橋」は、昔は木造の釣橋だった記憶があるが
今は立派なコンクリートの桁橋になっている。国道230号札幌虻田線(通称定
山渓国道)の硬石山の麓南に「石山大橋」が出来る前は、藻南橋を渡って豊平
川の右岸に出て旧定鉄の線路に沿って石山地区に出ていたものだった。今、橋
の袂の野球グランドがある辺りにはかじか荘という名の料理屋兼旅館があった。
「ちえりあ」の教養講座に参加して「札幌の地形と地質」を学ぶ機会があり、今
日は最終日の現地巡検で藻南公園に集合するのだが、開始までまだ時間が
あったので藻南橋の上流側から付近を眺めて見ることにした。
「穴の川」が豊平川に合流する地点から背景に屏風のように見える崖は、支笏
火山の噴火の際に積もった火山灰の堆積層で、所謂、溶結凝灰岩「札幌軟石」
の切り出した跡になっている。
少し下流側の藻南橋の背景になって見える似たような崖は、実は同じものでは
なく、海底火山の噴出が作った水冷破砕岩(ハイアロクロスタイト)と呼ばれる種
類の岩石で出来ているらしい。この崖の下の淀みは昔から「おいらん淵」と呼ば
れており、北の僻地に買われてきた花魁が世を儚んで崖から身投げしたという伝
説になっている。
上流から藻南橋を見る
穴の川河口と支笏火山灰堆積層の崖
藻南橋の背景に見える水冷破砕岩の崖