「遠藤山」は小樽市と余市町の行政界にあって、まさに小樽の奥地に当る。ここ
からは「塩谷丸山」方面とは反対側の、「穴滝」方面の遊歩道を下って行く。最初の
うちは緩やかな下り道だが徐々に勾配が増し、最後の「勝納川」の源流部流域に降
りる坂は急勾配で山腹斜面のわずかな足がかりを九十九折に辿って行く。
勝納川源流のせせらぎが聞こえて細い清流が見えてくると、川の上流へ向かう細
道が「穴滝」への分岐となる。ここから200mばかり苔むした岩を伝いながら遡ると
穴滝に到着する。勝納川の源流からの水は岩壁にぽっかりと開いた洞窟の左横か
ら落差3mほどの滝となっており、洞窟の中から湧き出ているわけではないが、滝
水の滲み込みが洞窟の成因の一つにはなっているものと思われる。洞窟の昼なお
暗き不気味さと穴前の晴天下樹林の明るさの際立った対比が目新しく、「穴滝」は
まさに小樽の奇観であり秘境であろう。
穴滝
滝裏より
穴滝の洞窟から見る樹林