戦後、北海道大学が留学生を受け入れ始めるのは、1960年前後であったという。そして早くも67年には、北11条西3丁目に鉄筋コンクリート4階建ての当時としては豪華な宿泊設備である「外国人留学生会館」が建設されている。長くて寒い冬を東アジア地域からの留学生が快適に過ごせるように配慮されたようだ。
現在では、北大の留学生はアジア地域からの留学生多いが、世界84ケ国・1地域から1,412名となり、全北大の学生(学部、大学院、研究生を含む)中8%を占める。
留学生への支援・相談(就学、生活、日本語教育、就職活動など)などの役割を果たすために、1994年クラーク会館の西隣に「留学生センター」が建設・設置された。この建物は、中央にエントランスとホール、両側に片流れの屋根を配した研修室・集会室などで構成され、レンガ色の外壁がエルムの林によくマッチし、裏庭には「大志亭」と名づけられた東屋も置かれて、野外での休憩や交流にも配慮されている。
留学生センター
ところが、今年2011年春に、この「留学生センター」の建物は全館閉鎖・使用中止になり、その機能は工学部に接した「旧工業教員養成所」の棟をそっくり新しく化粧し直した「国際会館」に引き継がれたようだ。旧センターの建物の老朽化にしては早すぎるし、管理側の都合があったとしか考えられない。留学関連の事務処理は新しい「国際会館」の場所でもよいが、親睦・交流などの施設は今の「留学生センター」をうまく活用してほしいものだ。
国際会館