札幌に初めて市電が走ったのは大正7年のことだが、その後、路線は札幌市街の発展とともに延伸していった。現存する「一条線」の一部(西4丁目から西15丁目)は大正7年、「山鼻線」は大正12年、「山鼻西線」は昭和6年の開業になる。
市電・南十六条電停周辺
新年早々に、西線「西15丁目」から「中央図書館前」を経由して、山鼻線に入り「静修学園前」で下車するまで、のんびりと市電に揺られて行く機会があった。電停の名称は街の歴史とともに変わってゆくものだが、この電停名も開業当初は「第一中学前」と称した。もちろん、札幌南高校の前身の旧制「札幌第一中学校」のことであり、校舎が現在地に移転したのは大正11年であった。
南高校「六華の門」
おもしろいのは静修学園高校の前身の「札幌静修会女学校」が電停近くに私立の職業学校として開校したのも同じ大正11年のことらしい。戦後の昭和23年になって電停名は「南十六条静修高等学校前」という長い名前に改称され、学校の伝統よりも電停により近い位置にあることで判りやすく、電停名の改称が決まったようだ。当時、このことを悔しがった南高の生徒・OBも少なからずいたと聞いている。
静修学園正門