国道12号線、平和通、南郷通、それと厚別中央通に取り囲まれた広い地域は「ひばりケ丘」と称する市営の大住宅団地となっている。しかし、ここにはかって「馬場農場」として60haもの広い牧場があった。馬場農場の創始者・馬場和一郎氏は大正8年に三角山の麓の土地を手に入れて牧場経営を始めたが、手狭になったためか昭和2年にはこの場所に移転して事業を続けた。現在でも住民の手で団地の真ん中に当時の軟石製の大型サイロが記念物として大切に保存されている。
時は流れて、この土地は昭和17年頃には内務省の所管となり、戦後は国鉄が所有するところとなった。この頃札幌市は急増する人口と住宅不足を解消すべく、昭和33年に国鉄と交渉して土地の取得に成功し、翌34年から住宅団地の造成を開始した。これが現在の「ひばりケ丘団地」の始まりとなる。団地の名称は、公募の結果と聞いている。
馬場公園入口
地下鉄東西線「ひばりケ丘駅」を地上に出て「南郷通」を西へ下りて行く。すぐ平和通と交叉する角地に「馬場公園」がある。公園の分類では近隣公園というそうな。この公園は、かって馬場農場の牛の放牧地であったという。公園は起伏に富んだ広い芝生が広がり、高みからは南西部の残雪を抱く連山がパノラマ状にくっきりと青空に映えている。
スキー山から北西方面
馬場公園は子供のスキー遊び場として人気が高いそうだが、今日初めて訪れてみて札幌市街にある公園には珍しく高く急勾配のスキー山があり、小学生級のジャンプもできそうだと納得できた。また、有名温泉ホテルによくあるような、プラスチック製のくねくねと長いチューブ式のすべり台など、通常の公園にはない目立った遊具もある。
スキー山から南西方面