古く明治以来、山根(現・伏見)から藻岩、円山の山際に南北に通じるシカの通った細い踏みつけ道を「山根通」と呼んでおり、札幌の町が円山まで拡大していく碁盤の目状の市街区の中に、昔からの「斜め通り」として現在も残っている。この斜め通りが新道の街区と接する沿道には、いくつかの三角形の空地が出来ざるを得ない。
(山根通地図)
(藻岩村・円山町役場跡記念モニュメント)
旧山根通は、現在の南2西25交差点の前からほぼ南南東の方向に斜めに走っており、途中明らかな三角形の空地が2ケ所残っている。しかし、余りに小さい空地で市でも利用法が見つからず、せいぜい付近の住民の手で花が植えられている程度である。地域の町内会が市に働きかけて、この空地に地区のシンボルタワーや時計塔、交通安全啓蒙塔などに活用する場所として適当と思うのだが...。
(三角空地1)
(三角空地2)
この旧山根通沿いは、古くからの円山村(一時藻岩村大字)の行政、生活の中心として賑わった。裏参道との交差点付近には村役場、沿道の中ほどに「円山朝市」(後の公設市場)などがあり、現在でも天然温泉を標榜する「円山温泉」も残っている。さらに南へ進むと「南円山町づくりセンター」があり啓明地区に入る。「行啓通」の西の延長と交わる位置には大きな三角形の「幌西自転車公園」があり、公園の向かいにはかっての「報恩学園」の跡地に「雲龍園」の庭が残っていて、晩秋の垣根の紅葉が美しい。
(幌西自転車公園)
(雲龍園の垣根)