バッタ塚を後にして、駐車場の奥のオオイタドリのヤブの茂る踏み分け道を掻き分けて行くと、新川の左岸に沿う未舗装道路に出る。この道を北へ歩いて新川河口と石狩湾を見に行く。新川河口近くで合流する「清川(すみかわ)」を過ぎると小樽市の市域となり、新川河口を見晴らす「小樽内川橋」に出会う。実は、この橋は、左岸の鉄橋部はアクセス道路が途切れ、右岸に結ぶ木橋部は朽ち落ちて対岸に渡ることが出来ない廃棄橋だ。今日のような天気の良い日には左岸沿いに釣り人が訪れ、橋上から太公望を決め込んでいる。
清川(すみかわ)の新川合流点 背景に廃棄された橋が見える
元々ここには、古くから小樽内(小樽の地名の発祥となる)集落があって、濁川河口(明治20年以降は新川河口)に木製の橋が架けられていた。何度かの修復を経て、昭和40年代の前半に新川河口と道路の直線化工事も行われたが、同年代の後半には石狩湾新港造成に伴い、小樽内集落から住民の転出が進み、橋も手入れされることもなく朽ち果て、ついに平成10年小樽市は橋の通行止めをして放置することになったと云う。
廃棄橋の上から望む新川河口(川上側)と石狩湾(川下側)