清田区は、政令指定都市・札幌で平成9年豊平区から分区、10番目に出来た最も新しい区だが、早いもので今年(平成29年)で開設20周年になる。私は、幼少の頃より中央区、西区に住まいしていたので、札幌市の東部、東南部の土地については余り馴染みがなかった。すでに初秋の候青空の広がった9月末のある日、清田区の緑地・公園歩きに出かけた。
札幌駅近くの東急デパート前から中央バスに乗り込み、約1時間ほどで終点の平岡営業所に到着。ここは、旧アシリベツ中心部(現在の清田区役所付近)から上野幌を経て厚別に至る古道と厚別滝野公園通、北野通の3つの道路が6方向に交叉する要地で、交通機関の拠点が置かれたのも頷ける。この交叉点から北野通を南東に1キロ半ほど下って行くと、左手に広大な敷地をとった、大型ショッピングセンターとその付属駐車場が現れる。
(イオンショッピングセンター)
(付属の広大な駐車スペース)
広大な敷地の商業施設もさることながら、興味があったのは、その西側に接して周囲を背高い金網柵に囲まれた、さらに広い面積の森林緑地の正体で、それを知るべく実見したかったのが今回の旅の目的であった。金網柵の所々には立入禁止の表示板が掲げられ、所有者名がイオンリテール(株)とあるので、ショッピングセンターの付属用地であることは間違いない。もう十二分に余裕のある商業敷地をとった上、さらにそれ以上の広い土地を寝かせているわけで、資金力のある事業体のやることは計り知れないものがある。
(森林緑地1)
(森林緑地2)
この森林緑地は、かっては旧北海道拓殖銀行の所有する土地で、同行の運動場として体育館や野球グラウンドなどが置かれ、土地の人からは「たくぎんの森」と呼ばれていたらしい。カラマツ林の多い敷地の内部は窪地になっていて、現在でも南北に細長い大きな池沼もあり「大池」と呼ばれている。実は、この池は二里川の水源のようで、池から流れ出た水は現平岡小学校、平岡北公園(ここにも池沼がある)を経由して北へと流れて、地下鉄大谷地駅の西側から最後は厚別川に合流する。ショッピングセンターの広い駐車場に沿って森林緑地の北側に出ると樹林が少し疎らとなり金網柵の向こうに大池が覗ける。
(昭和50年頃の付近地図)
(地質調査による川跡筋)
(現在の大池付近地図)
(現在の大池衛星写真)
(大池1)
(大池2)