平面を区分して境界線を設定する際、平行に引くことを別にして大抵は不規則に交叉する。遮るもののない広い場所に、人為的に直線の境界線を引いたとしても最後まで続くことは希で、アフリカ大陸での旧植民地分割、アメリカ合衆国での州境など、特殊な場合に限られる。内外国・自治体の行政区分境界の場合、通常は自然界の天然物(海・海峡、河川、山頂・山脈など)を境界とする例が多い。そんな境界でよく見られるのは、3つの異なる自治体の境界点であるが、大抵は、海・川や深山の中にあって、人が踏み込めるような所は少ない。
最近の朝日新聞電子版によれば、埼玉県、栃木県、群馬県の3県の境界点のある民営地を、3自治体が費用を分担して整え新名所に仕立て上げ、観光事業に役立てようと企てた。近くの道の駅には、既に、地元の特産品の他、関連グッズや特製メニューが並んでいるというから商魂たくましい。キャッチフレーズは、「三歩で跨げる県境!」と云うのだそうだ。
(3県境界点ビフォア・アフター) 北海道の場合、県境は当然ないのだが、3つの市の境界点はいくつかある。しかし、その殆どは山の中か川の中にあり、普通に人が立ち入れるところではない。札幌市周辺で人の立ち入れる境界点は2ケ所あって、その1つの小樽市、石狩市、札幌市の3市境界点が、第一新川橋から北へ1キロ、国道337号道央新道沿いに存在する。
(3市境界点)
この場合、交通量の多い幹線道路の中央なので人が立ち入るのは危険だが、例えば道路上に展望台付きのオーバーブリッジを設けて、赤いトンガリ屋根などで遠方からも目立たたせ、石狩湾の展望などを売り物に、その近くに、マリンスポーツ関連施設や駐車場、道の駅・コンビニなどを設置すれば、結構商売になるのではなかろうか。是非、関係自治体や民間事業者に検討してもらいたいものだ。
(境界点付近の道路標識)
(3市境界点地図)