自宅が近いせいもあって、北大構内はよく散歩コースに利用している。
桑園から北大第一農場の西縁に沿って石山通を北へ進み、北18条エルムトンネルの出入口脇にある「サクシュコトニ川緑地」は私のお気に入りの場所だ。子供向けの小奇麗な公園が多い昨今、この緑地のナチュラルな茫洋とした雰囲気が好ましい。完全に積雪が消え、川辺の木道もすっかり顔を出している。
恵迪寮がサクシュコトニ川の川面に影を落とし、ヤチハンノキの種ポックリが枝にぶら下がっている。
(サクシュコトニ川緑地)
(第一農場の羊群)
恵迪寮の裏から平成のポプラ並木に出て第一農場の北縁で一心に草を食む羊の群れを見やりながら、サッカー場の横を原始林の森に出る。道端の山野草の写真を撮ったりして、ぶらぶらと歩を進める。やがて、フロンティア応用科学研究棟の横から中央道路に出る。ここからへ南へ500mほど歩くと、北大のシンボル・クラーク像の前に至る。ロータリーの向かい側には古河講堂が建つ。
(構内春の山野草)
(クラーク像)
古河講堂は、明治42年古河家からの寄付金によって建てられた木造2階建ての教堂で、国内唯一現存している建物。当時は林学教室として使われた。足尾銅山で利益を上げていた古河財閥が足尾鉱山鉱毒事件の償いの意味を含めて寄贈された。
両翼対称のフランス・ルネサンス風にまとめられているが、様々な特徴を雑多に組み合わせたアメリカン・ヴィクトリアン様式であるともいわれている。平成9年には国の有形文化財に指定。
(古河講堂)
生協本部の横から北大構内を出て、思い立って北5条西8丁目の旧伊藤邸庭園を見に立寄る。伊藤邸は最近に敷地をマンション開発不動産会社に売却されて、今では高層賃貸マンションが建っている。かっての札幌の自然を残す貴重な庭園を市民に開放すべしという運動があったが、結局実現しなかったようだ。
(旧伊藤邸庭園)
(歩行地図)