石狩市花川南に「南線神社」がある。
「○線」というのは北海道独特の呼称で、歴史の浅い北海道の大広野を直線的に
等間隔で道路を通し、順番に付けた番号で土地を区分した名残である。
南線神社は、明治14年にこの辺に香川県人が入植した後、明治30年片山
某が四国金毘羅宮のお札をいただいて帰り小祠を祀ったのが始まりとされてい
る。時は移って昭和45年、新札幌団地の造成のため現在地に遷座した。境内
には、この地で明治30年に牧場を開いた「町村牧場発祥の地」の碑も建って
いる。同牧場が現在の江別に移転するのは昭和3年のことであった。
南線神社の社殿はまだ新しいものの、境内に建ついくつかの記念碑は新旧様
々で興味深いが、中でも牛馬をともに一つに祀った慰霊碑など他では見られない
ものがある。遷座がごく最近のためか社殿を囲む樹木はまだ若く荘厳さは薄いが、
社守の丹精なのか境内には花々が多く咲き乱れてよく整っている。