昼過ぎに自宅を出て北5条通から石山通を北へ下る。札幌の大幹線道路である
石山通の北行きは、長い間、函館本線にぶつかって終わっていた。この先は北海
道大学の敷地で農場が広がっている。かって函館本線を越えるここの踏切は、列
車との人身事故が多く「魔の踏切」と呼ばれていた。冬、線路はカーブして見通し
の利きにくい場所であった上、線路脇にうず高く排除された雪の壁が列車の接近や
汽笛の音を隠していたことが事故の誘因になっていた。
現在この位置は鉄道と道路が立体交差化して、かっての踏切事故は一切なくな
ったが、踏み切りのすぐそばの空き地には過去に事故死した人たちの冥福を祈っ
て3mほどの高さの石仏「延命地蔵」が建っていて毎年7月には供養祭が行われ
ている。北行きの石山通は立体交差を潜ったところで左右に分岐して、左は北大
の第一農場敷地の西縁に沿って北へ伸び「下手稲通」や環状通の「エルムトンネ
ル」に繋がり、右は北8条通を東進してJR札幌駅北口へ至る。また、これら新道
の開削で分断された農場の一部と連絡する橋が、鉄道の立体交差の北側にこの
三叉路を跨いで設置されている。
旧「魔の踏切」の現在の様子
延命地蔵尊